ヒンディー語文法と言語学習のおもしろみ

ヒンディー語の累計学習時間が約70時間になりました。デーバナーガリー文字を覚えて、コツコツと文法書を写経してきましたが、そろそろインプットの量も増えてきたので、この辺りで一度学習したことをまとめてみたいと思います。結論を先に書いておくと、ヒンディー語はとても面白いです。別にヒンディー語に限らなくても良いのですが、第二外国語学習は新しい発見がたくさんあって癖になりますね。

 

Introduction to Hindi Grammar

Introduction to Hindi Grammar

 

 

第二外国語ヒンディー語)から見える言語学習の魅力  

ヒンディー語インド・ヨーロッパ語族の仲間です。語族は英語にすると Language Family で、同じ起源から発達した言語の集まりを意味します。他のインド・ヨーロッパ語族の言語には、英語、スペイン語、ドイツ語などがあります。ちなみに、日本語は実はその起源がまだよくわかっておらず、他の言語との関係が不明なんだそうです。語族はそのまま日本語族となります。

同じ語族のヒンディー語と英語、派生が不明な日本語。実はこれらの文法を比較すると「あれ?もしかしてヒンディー語は英語よりも日本語に似ている??」と、思うことが多々あります。語族を飛び越えて感じる共通性、なんだかロマンを感じませんか?少し具体例を紹介させてください。

 

ヒンディー語と日本語で類似する具体例

語順

में छात्र हूँ
私は 学生 です

 

日本語話者がヒンディー語を学習する上で一番助かるのは、語順が同じ点ではないでしょうか。英語は「主語 - 動詞 - 目的語」の語順ですが、日本語とヒンディー語は「主語 - 目的語 - 動詞」の語順です。

英語を話すときには、いわゆる英語脳(*英語で考えて英語で話すという例のあれ)に完全にスイッチしないと流暢に話せないですが、 同じ語順であれば頭の中で日本語とヒンディー語を翻訳しながら話しても、片言でなんとか発話できます。

 

動詞の活用

  • 過去形
    • 食べ => 食べ
    • खाना => खाया 
  • 命令形 
    • 食べ => 食べ
    • खाना => खाइये

日本語の動詞には語幹(黒字部分)という部分があり、それ以降を活用させることで様々な表現が可能です。ヒンディー語の動詞にも同様に語幹があり、それ以降を活用することで過去形や命令形などの表現ができるようになっています。

 

後置詞

मैं घर में पढ़ा
私は 勉強した

 

日本語には「が」「を」「に」「で」などの助詞があり、これらは文章の中で非常にパワフルな働きをします。「家が」「家を」「家に」など、助詞によって文章の意味が大きく変わります。ヒンディー語で助詞と似た働きをするのが後置詞です。英語の前置詞とも似ているものですが、日本語の助詞と同じく、名詞の後ろに付き、後置詞で文章の意味が大きく変わります。

 

日本語とヒンディー語、やっぱり似ていますよね?日本語文法の肝である(と勝手に僕が思っている)動詞の活用と助詞と同じような概念がヒンディー語にもあるのは親近感を覚えます。

ただ、やはりインド・ヨーロッパ語族ヒンディー語。英語と類似する点もあります。

 

ヒンディー語と英語で類似する具体例

that節

It is necessary (for you) that ...
(आपको) यह चाहिये कि ...

 

英語には日本語にはないthat節という概念がありますが、これに似たものがヒンディー語にもあります。その名も कि節 ( कि clauses ) 。that節と同じように、後ろに従属節を従えて主節と結ぶ働きをします。

 

第二外国語ヒンディー語)を学ぶおもしろみ

ここまでヒンディー語と他言語との類似性を話してきましたが、もちろんヒンディー語を学習するなかで、初めて出会う概念もありました。例えば、ヒンディー語には、名詞に性があり、男性名詞と女性名詞によって活用の仕方が変わります。 スペイン語などにも名詞に性があるとは聞いていましたが、これは僕にとっては初めてのものでした。名詞に性?なんじゃそりゃ??という未知の体験が、自分の頭の枠組みを無理やり拡げてくれる気がして良い感じです。

また、ヒンディー語を通じてインドの文化を感じることもあります。例えば、日本人はデーバナーガリー文字を学習するときに、文字の書き順を気にします。が、デーバナーガリー文字には実は決まった書き順が厳格になく、文字と文字を繋ぐ横線は最後に書いてね、後はよしなにやってね!ぐらいの感じです。この辺りはなんだかインドらしいなあと。他には、ヒンディー語の所有の表現は「○○が近くにある」といいます。「持つ」と同等の動詞はなく、近くにあるものは俺のもの!というジャイアニズム。これもなんだかインドらしくて面白いですよね。

言語学習を通じて、自分の母語との共通性に気がついたり、その言語の話者の文化を感じたり、そんな発見をしていくことが第二外国語学習のおもしろみだなあとしみじみ思います。英語をビジネスで始める人は多いと思いますが、ビジネスを度外視した第二外国語もなかなか良いものです。だから学校でも第二外国語学習をやっているんだとその意義を再確認しました。社会人になってからの第二外国語も全然遅くない。皆さん、ぜひお試しあれ。

 

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