地方の年配者を世界へ繋ぐ、新しい日本語学習のカタチ Wasabi

 本日、オンライン日本語学習サービス Wasabi(英語)をオープンしました。Wasabiは「やる気ある全ての学習者が日本語を確実に習得できるように」をビジョンとして、ネイティブとのオンラインレッスンを市場の最安値で提供していきます。その為に、私たちは日本の地方に住む年配者の方々に注目しました。ご存知の通り、日本の地方は過疎化が進んでおり、若者の数がどんどん減っています。私たちが拠点を置く長崎県島原市もその内の一つで、「子供や孫となかなか会う機会がない」、「定年退職をしたから新しい趣味や話し相手が欲しい」…こうした声を至るところで耳にします。そんな年配者の方々を、インターネットを通じて、海外で日本語を学ぶ若者たちへと結びつけました。 

 現在、Wasabiに所属している最高齢の先生は81歳のお婆ちゃんです。Skypeの使い方を勉強したり、日本語を教える練習をしたりと、新しいことばかりで苦労もされていますが、一緒に面白おかしく慌ただしい日々を過ごしています。これまで一人でテレビを見ていた時間が、急に海外の若者から「先生!」と呼ばれる時間へと変わる…私たちはレッスンの後に先生と一緒にお茶をすることもよくあるのですが、「うちの子はねえ…」と嬉しそうに生徒自慢をする皆さんの様子を見ると、なんだかこちらまで嬉しくなってきます。ユーザーからも、年配者ならではの、暖かみがあって辛抱強く話し相手になってくれるレッスンは、非常に好評のようです。

 ところで、この現代が歴史上でもっとも言語が習得しやすい時代だと言われていることはご存知でしょうか。ポケットに入っているスマートフォン一つで、音源が聞ける、テキストが読める、自分の声は録音できる、インターネットには無数の情報が拡がっている…これほど便利な時代はかつてありませんでした。しかし、ただ一つ、まだ一つだけ足りないものがあります。ずばり、それはネイティブとの会話の練習です。こればかりは相手があって成り立つものなので、技術の力では未だカバーしきれていません。しかし、逆を言えば、ここさえ問題解決できれば、おおよそ全ての人がターゲットにしている言語を習得できるようになるはず。これが我々の出発点である仮説です。

 とはいえ、ただのお喋りを繰り返すだけで習得できるほど、言語は簡単なものではありません。そこには理論に基づいた学習のカリキュラムが必要です。そして、実はこれこそがWasabiの強みの一つでもあります。私たちのカリキュラムの監修者は、一橋大学社会学研究科博士課程、言語学専攻、現在はハーバード・イェンチ ン研究所の客員研究員としてアメリカのボストンで日本の地域言語の研究を行っている、いわば言葉のプロフェッショナルです。彼女は「Wasabiの先生は日本語教育の経験を持たない年配者。それでもしっかりと学習効果が上がるカリキュラムを作って欲しい」という無茶な依頼にしっかりと応えてくれて、スピーキングに特化&細分化した、専用のカリキュラムを設計してくれました。これにより、地方の年配者が立派な先生に早変わりです。日本の地方に住む豊富な数の年配者、インターネット、確かな言語知識に基づいたサービス設計、この組み合わせがWasabiです。 

 私たちはこれより「やる気ある全ての学習者が日本語を確実に習得できるように」を目指し、その為に市場の最安値でネイティブとのレッスンを提供していきます。まずは英語圏の学習者を対象にしていますが、後々は各地の言語にも対応させていくつもりです。世界に散らばる日本語学習者と、地方に住む年配者の為に、メンバー一同、身を粉にして働いていきますので、どうぞ暖かいご支援をよろしくお願いいたします。

 

公式ホームページ(英語)

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(追記)

2016年8月、Wasabiのレッスンを一時中止しました(こちら参照:お知らせ)。

2016年11月、Wasabiを株式会社スモールブリッジに譲渡しました(こちら参照:2016年を振り返って)。

 

常盤卓也