プロジェクトにおけるタスク管理の大事な3つのポイント
タスク管理、皆さんやっていますか?仕事でタスク管理のマニュアルを書くことがあったので、良い機会だと思って、プロジェクトにおけるタスク管理に対して自分の考えを整理してみました。PMやディレクターなど、進行管理をする方の参考になれば嬉しいです。
プロジェクトのタスクは「優先度」「ステータス」「進捗」の3つの観点から管理せよ
プロジェクトの規模によってタスク管理の最適な手法は異なります。このエントリーでは、プロジェクトやチーム単位のタスクを専任の担当者が管理するときの最適な手法について考えてみたいと思います。結論を先に書くと、優先度・ステータス・進捗の3つの観点からタスクを管理をするのが良いのではないかと思います。
タスクの優先度を管理
いきなり逆説的なことを書きますが、タスクを管理する為には、タスクの総数を極力減らしましょう。総数が多くてメンバーがタスクを捌き切れない状況下では、どんな管理方法をとってもまず上手くいきません。「何をタスクにするか?」がプロジェクトのタスク管理において最も重要です。本当に取り組むべきものだけをタスク化するようにしましょう。
いざタスクを作るときには、全てのタスクに優先度をつけます。優先度のつけ方は色々なやり方がありますが、下記のように重要度と緊急度の2舳で考えることがお薦めです。
タスク化のテンプレート
- 優先度
- 期日
- 終了条件
- 担当者
- 必要工数
タスクには最低限、上記の情報を含めるようにしましょう。情報を埋める順序としては、まず「優先度」を決めます。その次に、優先度を考慮して「期日」と「終了条件」を後工程の人と調整してください(ここで適切に優先度が設定できていることが重要になってきます)。
「終了条件」は何をもってこのタスクを終了とするか?を定義することです。例えば、"○○の調査"というタスクがあった場合、調査の対象範囲はどこまでか、どういう形式で調査結果をまとめるか、誰に調査結果を報告するのか、という具合で終了条件を言語化していきます。調査結果は、テキストで箇条書きするだけで良いかもしれませんし、パワーポイントでプレゼン資料用に仕上げないといけないかもしれません。期日と終了条件はトレードオフになるケースも多いので、リソース状況と優先度を考慮した上で、実行可能な着地点を後工程の人とあらかじめ握っておきましょう。
最後に「担当者」をアサインします。その際に終了条件を説明し、「必要工数」をヒアリングして記録してください。タスクのステータスと進捗を管理するのに役立ちます。
タスクのステータスを管理
「未着手」「着手」「作業完了」「受領」と区分して、タスクのステータスを管理します。ステータス管理にはカンバン方式でカードを移していくやり方が適していると思います。そして、それぞれのステータスに合わせた対応をしていきます。
未着手のタスクへの対応
いつまでに着手する必要があるかを、期日と必要工数から逆算しておきます。そして、その日が近づいても着手されていない場合、担当者にアラートを出しましょう。また、タスク作成時から時間が空いた場合、プロジェクトの状況が変わっている可能性があるので、Slackや議事録などを常に見ておき、関連する情報があれば、タスクにメモを加えてあげておくと親切です。場合によっては、タスクの優先度が変わっていることもあります。こちらも同様にアラートが出せると素晴らしいです。
着手のタスクへの対応
※これは進捗管理として別で説明します。
作業完了のタスクへの対応
作業完了になっているタスクがきちんと終了条件を満たしているかを確認してください。確認は現地現物が鉄則です。担当者にただヒアリングするのではなく、成果物を見ながら終了条件を満たしているかを指差し確認してください。
また、タスクは作業が終わった後、その結果が後工程の人に渡るのが一般的です。後工程の人に連絡が入っているかも合わせて確認してください。後工程の人が受領してタスクは完了と考えるようにしましょう。
受領のタスクへの対応
一定の期間(2週間や1ヶ月)でのタスクの消化量を計測します。必要工数が出ているので、"この2週間では○人日分のタスクが消化できた”というように、定点的に記録をつけていってください。可能消化量がわかれば、プロジェクトの計画の精度が高まりますし、この消化量をいかに伸ばしていくかを工夫することで、プロジェクトの進行がよりスムーズになります。改善の指標の一つにして欲しいところです。
タスクの進捗を管理
着手しているタスクについては進捗を管理します。定量的に進捗がわかるものであればやりやすいのですが、残念ながら全てがそういうタスクではありません。その場合、タスクの終了条件を満たすまでのステップをマイルストーンとして置き、それらがどの程度完了しているかで進捗を測るのが良いです。それも難しい場合は、担当者に後どのくらいの時間で終わるのか定点的にヒアリングしてください。もし期日通りに終わらない可能性が出てきた場合は、すぐに担当者本人や上長にアラートを出しましょう。
また、進捗を確認する際は、何か困っていることがないか合わせてヒアリングをしましょう。もし何かが作業の妨げになっているのであれば、それを除外できるようにサポートしてあげてください。タスク管理者は作業者よりも広い視野や情報を持っていることが多いので、力になれることがきっとあるはずです。
期日通りにタスクが処理されていかない場合
もしここまでのやり方でタスク管理をして、それでもタスクが期日通りに処理されていかない場合、次のような可能性があります。これらはマネジメントによって解決すべきものです。しかるべき相手と相談し、課題解決に向けて動いていきましょう。
- 差し込みのタスクが多い
- リソースが足りていない
- メンバーのスキルセットが合っていない
以上です。僕の思う「こうすれば盤石ではないか」というタスク管理のやり方をまとめてみました。ここまでやるのは専任の担当者がいないと難しいかもしれませんが、大規模のプロジェクトではそうしたPMOを設置する体制を取っても良いのではないかと思います。ぜひ参考にしてみてください。