グローバルとは…ただの言葉じゃ。中国でグローバルとローカルを考える。
お久しぶりです。気づいたらもう2015年も終わろうとしていますね。いま中国の上海から天津行きのフライトの中でこのブログを書いています。現在、Wasabiは英語圏でのみサービスを提供しているので、近いうちに多言語化しようと思っているのですが、まだはっきりと進出先を決定していません。日本語学習者の母数を考慮すれば、中国・インドネシア・韓国が次の展開の選択肢にあがってくるのですが、やはり現地を知らないことには何も始まらないということで、しばらく地元のご飯を食べて、こちらのWebサービスを使い、地元の生活環境に浸る、そんな全国行脚の旅をしようと思っています。
上海市内にて(写真にすると空気の汚れが目立つ…)
中国の国内線でふとグローバルを考える
思えば数年前、僕は大阪府が主催するグローバル人材育成うんたら研修に参加していました。そしていま、自分が'グローバル'にサービスを展開するようになって思うのは、「グローバルとはただの言葉である」ということです(本エントリーのタイトルは、私の敬愛するバガボンドから来ていることに皆さまお気づきですよね?)。いま僕のフライトの席の周りの人は(当たり前ですが)中国人が殆んどです。インドにいたときは、自分の周りにいたのは大半がインド人でした。辞書によれば、グローバルとは「世界的規模であるさま、国境を越えて地球全体に関わるさま」という意味があるそうです。しかしながら、国境をいくら越えてもそこにはそれぞれのローカルがあるだけで、カメレオンのように個々に色を変えて取り組む必要があります。グローバルな色なんてありません。
世界の均一化はまだ遠い未来
インターネットを使えば、中国にはグレート・ファイアウォールがあり、インターネットに規制が入っていることが簡単にわかります。インターネット業界で言えば中国は非常に独特な市場ではないでしょうか。例えば、中国からは海外のサーバーが使用されたWEBサイトにはアクセスがしづらいと言われています。では、中国のユーザーにサービス提供をするときは中国にサーバーを置いた方がいいのか?オンラインレッスンにはSkypeでなくQQ(中国で普及しているコミュニケーションツール)を使った方がいいのか?などなど、そんなことを検討する必要があります。言うまでもなく、Google、Facebook、Twitter、LINEなど、この辺りのサービスは軒並み使用することができません。その代わりに、同等のサービスが中国企業によって提供されています。また、特に規制がされていないサービスでも、同等のものが中国にはあることが多く、中国企業のそれの方がシェアを取っていることが殆どです。例えば、Wasabiでは支払い対応にPaypalを使っていますが、中国では「支付宝」の方が一般的です。中国系サービスでPaypalが使用されているのを見たのは、英語対応をしているフライトを手配するサイトぐらいです。やはり中国に進出するのであれば、ただ単に中国語版のサイトをオープンするのではなく、ローカルのスタンダードに合わせた細かいケアが必要になるでしょう。こういうことも現地に来てみないと気づかないことの一つでした。
オンラインが主流だからこそのオフライン
これだけ国々で状況が違うことを一人で、ましてや日本人だけで対応するなんて到底無理な話です。やはり、その国の言葉が話せて、文化やマインド、市場に詳しい、そんな人がチームに必要です。インターネットで簡単に世界中が繋がれる、そんな時代だからこそ、新しい仲間を探すべく、わざわざ飛行機にのって、現地の人と顔を合わせたコミュニケーションをしていく重要性が高まっているのではないでしょうか。働く場所、働き方が選べる時代です。一つの場所に根を張った商売はもちろん偉大なことなのですが、新しい場所で新しい価値観に出会う楽しみはまた特別なものがあります。Wasabiも今はただ英語で情報発信をしているだけで、ターゲットがぼんやりしてしまっています。この全国行脚のなかで、各国にローカナイズしていく為のパートナー探しに注力したいと思います。
次はあなたの住む場所へお邪魔するかもしれません。その際はどうぞお茶の一杯にでもお付き合いくださいませ…!