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100年ライフと生涯学習

私たちは今、情報革命の最中にいると言われています。情報革命は、あの農業革命や産業革命と並び、強烈なインパクトを社会構造に与えるだろうと考えられています。しかし、実はそのインパクトに負けないぐらいのある変化が起きていることをご存知でしょうか?…それは人間の長寿化です。なんと2015年時点で日本人男性の平均寿命は80.79歳、女性に至っては87.05歳です(厚生労働省の統計調査より)。そして、ワーク・シフトを書いたLynda Gratton氏とAndrew Scott氏の新著であるライフ・シフトによれば、2007年生まれの日本の子供たちは、50%の確率で107歳まで生きるという研究結果もあるそうです。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 

3フェーズの70年ライフから多フェーズ化する100年ライフ

ライフ・シフトは非常に良書であると思いました。自身のキャリアを考えあぐねている人には一読をお薦めします。私は1987年生まれの現在30歳です。ライフ・シフトによれば、10年ごとに平均寿命が2~3年伸びていることを考慮すると、僕は98~100歳ぐらいまで生きる可能性が高いそうです。従来の3フェーズの人生設計(すなわち、22歳までの教育フェーズ、60歳までの仕事フェーズ、そして60歳以後の引退フェーズ)が果たして上手く機能するのでしょうか。この人生設計は、集中的なインプットは教育フェーズで終わらせ、仕事フェーズで蓄えを作り、その蓄えと公的年金で引退フェーズを過ごす…というものでした。ライフ・シフトは、100年ライフにおいて仕事フェーズで長期化した引退フェーズを生き抜くだけの蓄えを作るのは困難であると主張しています。

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上記のグラフでは、100年ライフを65歳まで働く設定としました。それでも老後は35年あります。仮に年間300万円で生活するとしても、必要な金額は合計で1億を超えます。公的年金に大きな期待が出来ない今、一体どれだけの人が1億円もの生活費を用意することが出来るのでしょうか。

新しいフェーズが人生設計に登場

ライフ・シフトでは「探検者」「独立生産者」「ポートフォリオ・ワーカー」の新しいフェーズが提言されています。詳しくは本を読んでもらいたいのですが、シンプルに考えれば、新たな学びによって自己の再創造をせよと言えると思います。 

もし仮に、3フェーズのまま人生設計を考えれば、仕事フェーズを引き延ばすしかありません。実際、日本は定年が65歳まで引き上げられました。しかし、まとまったインプットは若い頃だけで、その時の知識とスキルで定年まで逃げ切るというスタイルはもはや現実的ではありません。知識やスキルはどんどん陳腐化します。これからのAIやロボット技術の進化を考えると、従来の仕事のやり方が通用しなくなることは自明です。大学院で最先端の知識を学び直す、旅をして異なる価値観に触れる、独立し事業を営むことによって実践的なスキルや経験を積む…手段は様々だと思いますが、仕事フェーズの途中で自分自身を磨き直し、新しい第二の仕事フェーズを迎える必要があります。

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上記のように、仮に45歳から自分を再創造する時間をとり、最先端の知識やスキルを身につけたとします。体力を使う仕事はロボットが代わりにやってくれるでしょうから、頭だけを使う仕事だと、きっとこれまでより長く働けることでしょう。もし83歳まで働けば、引退フェーズは17年です。ずいぶんと現実的な計算ができるようになりました。

この人生設計を「そんなに長く働きたくないし、大人になってまで勉強したくない」と考えるのか、「色んなことに挑戦できる充実した人生だ」と考えるのかは人によると思います。 

自分自身のことを考えると…

30歳になって転職をしました。久しぶりの日本のサラリーマンです。住環境も労働環境も大きく変わりました。仕事に必要な本質的な要素は変わらないと思いますが、それでも新しい知識を身につける必要があります。生活リズムも規則正しくしないといけません。幸いにも、今はこうした変化を楽しいと感じられています。

再創造とまではいきませんが、転職した業界についての情報収集や専門知識をつけなければと、インプット・アウトプットの時間を増やしました。ライフ・シフトを読んだこと、こうしてブログを書いていることもその一貫です。

  • 毎日Economistの記事を2つ読む
  • 毎日教育系の記事を2つ読む
  • 毎週洋書・和書を一冊ずつ読む
  • 毎週ブログを書く

まだまだ全てを守れていませんが、こんなルーティンを自分に課しています。100年ライフで大事なのは「新たな学びによる自己の再創造」と書きましたが、おそらく、これまで机に向かう習慣のなかった人が、急に40歳ぐらいになって学び直そうと決心しても難しい気がします。年を重ねれば否応なしに柔軟性が失われます。地位があがっていけば、それまでのやり方にプライドを持つでしょうし、積み上げてきたものを0に戻すことは勇気が要ります。若い頃から日々を謙虚に過ごし学ぶ姿勢を保つこと、そして新しい考えや異なる価値観に対して飛び込んでいける、いわゆるOpen-Mindednessが重要なんだと思います。

僕は人付き合いの幅が狭いところがあるし、基本的に引きこもり体質なので、その辺りはもっと柔軟性を持っていきたいと思いました。歳を重ねるとともに自分自身を変化させていきたいものですね。