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取締役を辞任することにしました

表題の通り、3月末日をもって創業から関わってきた会社の取締役を辞任することにしました。まず最初に、在任中に賜りました一方ならぬご厚情に対し心より厚くお礼申し上げます。…さて、不躾ではありますが、関係者の皆様への正式なご挨拶は別の形で行っておりますので、硬い文章はここまでにして、この個人のブログでは率直な今の心境を記録しておこうと思います。

 

f:id:takuya0206:20130225112048j:plain※創業時の住居 兼 事務所。ここに3人で生活をしていた。(正面の自転車が2台ある長屋)

 

 

これまで僕の人生のなかに大きな分岐点が2つありました。1つ目は18歳のとき、フリーターをやめて企業に就職し、ある上司に巡りあえたこと。2つ目は22歳のとき、その上司に誘われて参加したベンチャー企業を退職し、いまの会社の取締役に就任したことです。そして今回の辞任は、後に振り返ったときに3つ目の大きな分岐点となっていることでしょう。それほどに並々ならぬ覚悟あっての選択でした。

あらかじめ明言しておきたいのは、”他のメンバーとの仲違いが原因ではない”ということです。創業時に多くの人から「同世代だけの役員構成だといつか喧嘩別れをする」と指摘されてきました。また、取引先の方々に辞任の挨拶をした際にも「社内で揉めているのですか?」と心配の声を頂くこともありました。しかし、一切そのようなことはありません。むしろ、まだまだ大変な時期にも関わらず、私の決断を快く理解してくれたメンバーにはとても感謝をしています。

 

 

辞任の理由を一言で表せば、「勉強をやり直したい!」になります。私は不器用な人間です。経営者という立場にありながら、業務外の分野を勉強するということのバランスを上手くとれずにいました。本来、経営者は24時間仕事をするべき存在です。社員を雇用しているならば尚更、常に意識を事業に向けて、身の回りに起きる全ての事柄からヒントを掴み、利益の最大化に努めなければなりません。そうした責任があるからこそ、一般の社員よりも多くの報酬をもらう権利があるのです。

いつしか私はここまで事業に集中できなくなっていました。10時~19時という枠のなかでしか仕事を考えず、それ以外の時間は学習のことを考えるようになりました。あろうことか、休日などに得る気づきすら、事業ではなく、学習に関わるものに変わっていきました。…私はこのような状態で、本当に役員報酬をもらう資格があるのだろうか。どんな顔をして社員の指揮をとればいいのだろうか。次第にそう考えるようになりました。そして、「こんな曖昧なままでは駄目だ」という気持ちを抑えられなくなり、どちらか一方を優先することにしました。それが今回の決断です。

 

 

そもそも勉強を始めたキッカケは、私の根底にある考えに関係しています。私は生きていく上で、”楽しい”という感情を重要視しています。サラリーマンから経営者に転身したのも、そちらの方が人生を楽しめそうだ!という理由からでした。そして、「これからの人生を楽しむためには、いまの仕事の他にも必要なものがあるのではないか?」この疑問が勉強を始めるに至った直接的な原因です。

私は自分が生きている間に、もっと多くの日本人が海外に出て行き、もっと多くの外国人が日本にやってくる…そんな時代になると考えています。また、それは一つの事象に過ぎず、国境を越えた経済的格差の是正など、多くの変化がこれから巻き起こっていくでしょう。そうした価値観が大きく変化する不安定な世を、 どうすれば”楽しく”生きることができるのか?…私は真剣に考えました。そして、その答えに辿りつきました。それはまず「自分の芯となる価値観を形成しなければならない」ということです。

私は日本人です。間違いなく”日本人”の価値観を持っているでしょう。また、私は日本人であると同時に”私”という人間です。間違いなく”私”の価値観を持っているでしょう。しかし、自分自身でそれを理解しているわけではありません。自分の芯となる価値観を形成するとは、自分がなにへ喜怒哀楽を覚え、なぜそう感じるのかを、他人に説明できるほど自身で理解することだと思います。私はこれを”日本人”としても、”私”としても出来るようになりたいのです。

良くも悪くも人間は常になにかの影響を受けています。いまの私も、いま書いているこの文章も、なにかの影響を受けて生まれたものです。この”影響”という名の大きな流れに埋もれてしまっては、人生を楽しむことは非常に難しくなります。自分の足で立ち、自分の頭で考える。それがこの多様化していく社会を楽しむ一つの方法なのだと思います。このように考えて、私は歴史や宗教、語学についての勉強を独学で始めました。そして、ここから話は冒頭に繋がっていきます。

 

 

とはいえ、取締役を辞めてすぐに会社から離れるという訳ではありません。また、勉強をし直すにしても大学に通うと決めた訳ではありません。しばらくは会社に在籍したままで勉強を続けていくつもりでいます。業務を疎かにするわけではありませんが、一社員となれば役員ほどの責任はありませんのでまだ気は楽なものです。業務時間内は仕事を、それ以外の時間は学習を、しっかりとメリハリをつけて取り組んでいきます。まずは英語を重点的に学び、その後に英語で自分のやりたい分野を学んでいく予定です。

人生とは何が起こるかわからないものです。はたして数年前の私が、今の私を想像することが出来ていたでしょうか。全くそんなことはありません。私の人生は思いもよらぬ方向に進もうとしています。お金を稼ぐために始めた勉強や情報収集によって、自分の考えが大きく変わり、むしろ収入を減らす決断を下してしまいました。「人生の迷子になっている」と言われれば、”当たらずと雖も遠からず”といったところでしょう。「日本人の価値観を理解すれば飯が食えるのか」と言われれば、たしかに仰る通りで私にもよくわかりません。しかし、それでいいのです。一度きりの人生、ゴールが見えていれば面白くもありません。人生を楽しむと決めた以上は多少の波乱万丈が必要です。お先真っ暗でどこに繋がるかもよくらかないこの道ですが、自分の意志でいけるところまで歩いてみようと思います。

 

 

 

ご関係者の皆様ならびプライベートでお付き合いのある皆様、今後もなにかとご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、末永くお付き合い頂けると幸甚に存じます。